「…………」
「…………」
谷口は俺のことをどう思っているんだろうか。怒っているのか、呆れているのか、はたまたその両方か。
「……許してくれないのも当然――」
「黙って」
谷口は俺の言葉を遮った。やはり怒っているのだろうか。
「まず、何で今この時間に、源内さんはここにいるの?」
「……谷口に、謝ろうと」
「学校は? まだ授業中でしょ」
「昼休みに抜け出してきた」
「何で?」
「すぐに、谷口に謝るべきだと……」
「何で昼休み? 何で今日? 何でもっと早く来なかった?」
「…………」
決定、谷口は怒っている。谷口にここまで問い詰められたことはあまりない。
「話して。最初っから全部」
「……わかった」
←前のページへ 次のページへ→
戻る