射止めろ!石油女王 02


 女の子たちがお手洗いに行くと言い、席を外した。これが噂のアレか、誰が誰を狙っているのかを確認し合うという、女の子たちの秘密会談か。女の子ってのはそういうの好きだよな。小学5年の時にも、女の子たちだけ体育館に集まって、秘密会談してたもんな。あの時は何の話してたって言ってたっけな? 正しい女性専用車両の乗り方、だったっけ?
 ということで俺たち男連中も、今後の計画を練ることにする。2次会と称してカラオケに連れ込むか、あるいは脈アリと判断できれば、ホテルに連れ込む算段を立てるか。まあ至って普通のよくある、合コンの風景ではなかろうか。

 ……俺が椅子の上ではなく、床に直接、正座させられていることを除けば。

「なんで俺はこんな目に合ってるんでしょうねえ!」

「胸に手を当てて考えてみろ」

 そうは言われてもなあ。でもひとまずは言われたとおりに、右手で左胸を触れてみる。

「どうだ?」

「左乳首があります」

「何言ってんだよ!」

「何って、ありのままを伝えただけだよ! ほら、見えるだろ! 俺の左乳首!」

 疑われるのは心外なので、その場でシャツをぺろんと捲り上げる。自分でも念のために目視で確認してみるが、やっぱり左乳首は、ある。

「そんなありのままの姿見せてんじゃねえよ!」

「見せろつったのはそっちだろ! ほら見ろよ! とくと見ろよ! 俺の左乳首をよ!」

「見せろなんて一言も言ってねえよ!」

 ……まあ、あれですね。入学して飲みサーに入って2か月目の大学生じゃないんだから、飲み過ぎはよくないですよね。いい年こいて何やってるんでしょうね俺たちホント。

 あ、女の子たちは俺たちが左乳首を見せる見せない騒ぎを起こしている隙に、こっそり帰ったらしいですよ。ラブホはもちろんカラオケはおろか、連絡先さえゲットできませんでした。
 残ったのは、左乳首を見せた俺と、左乳首を見せられた仲間たち。


  ←前のページへ   次のページへ→

 戻る
Tweet